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日本で進化を遂げてきた「古印体」とは?

古印体(こいんたい)とは、印鑑に用いられる書体の一種で、欠けや途切れ、膨らみのある墨塗りで生み出された独特の重みが特徴です。可読性が高く認め印に使用するのに適していますが線の太さが均一でなく複製が困難であるため実印や銀行印としても使用できます。さらに、古印体で作成されたはんこは余白部分の少ない仕上がりとなるため、万一印鑑に衝撃を与えてしまったときでも欠けにくく破損しにくいというメリットがあります。
もともと奈良時代の寺社印として用いられていた「大和古印」に刻印されていたもので、日本で進化してきた書体の1つです。さらにさかのぼると、篆書(てんしょ)体を簡略化したやや直線的な隷書(れいしょ)体をもとに生み出されたといわれています。ある書体をもとに異なるものを生み出す例はほかにもあり、墨だまりや筆の強弱といった古印体の特徴を有するものも多くあります。これらは篆書古印や隷書古印のように名前の末尾に「古印」がついています。

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